この記事は、『黒鉄の魚影』予習シリーズのパート2です。
まだパート1を見ていない人はぜひそちらから先にご覧ください!
パート2では、「『黒鉄の魚影』の登場人物が知っている情報と知らない情報を把握する」ことをテーマにしています。
ちなみにこの記事は
単行本103巻まで
アニメ第1079話『黒ずくめの謀略(正体)』(2023年4月9日放送)まで(※単行本100巻収録回)
公式が公表している内容
にふれています。
これらのネタバレを見たくない人はこのタイミングでフェードアウトすることをオススメします(特にアニメ派の方はご注意ください)。
それではどうぞ!
※キャラクターの色使いについて※
男性=文字の色が青
女性=文字の色が赤
コナン(と灰原)の味方=オレンジ下線
コナン(と灰原)の敵=きみどり下線
性別不明(映画公開前は不明)のピンガ=文字の色つけ無し
現役黒の組織のメンバー=斜め書体&文字サイズが大きい
(なんだか逆に分かりにくくなってしまっているような気もするので、色分けについては把握したい人だけ注力して見てください!(笑))
メインキャラの正体を知る人と知らない人を把握
コナン、灰原、赤井さんの3人の正体を知っている人物と知らない人物を整理しましょう。
なお、原作登場キャラクターを全て網羅しているため、『黒鉄の魚影』に登場しない人物も記載しています。
江戸川コナン=工藤新一だと知っている人(確実に)
灰原 哀
赤井秀一
阿笠博士
工藤優作※
工藤有希子※
服部平次
ベルモット
宮野明美
本堂瑛祐
世良真純
メアリー・世良
怪盗キッド
※工藤優作と「工藤有希子」は新一の両親。
※有希子は女優時代に、同じく女優仲間の「シャロン・ヴィンヤード=クリス・ヴィンヤード(つまりベルモット!)」と親友レベルの仲。
灰原 哀=宮野志保だと知っている人(確実に)
江戸川コナン
赤井秀一
阿笠博士
工藤優作
工藤有希子
服部平次
ベルモット
ピスコ
沖矢昴=赤井秀一だと知っている人(確実に)
江戸川コナン
灰原 哀
阿笠博士
工藤優作
工藤有希子
羽田秀吉
ジェイムズ
キャメル
ジョディ
降谷 零=(安室 透/バーボン)
上記の追加&補足
・全員の正体を把握しているのは阿笠博士、工藤優作、「工藤有希子」の「3」人。
【コナン関係】
・宮野明美がコナンの正体を知っているのは、死の間際にコナンが自ら正体を明かしたから
・コナンが自ら正体を明かしたのは、阿笠博士、「宮野明美」、本堂瑛祐の3人
- 工藤夫妻(両親)は阿笠博士から事情を聞いて把握
- 他は全部自力でコナンの正体が工藤新一だと気がついている
- 安室 透は正体把握メンバーに該当していないが、気がついている可能性も大いにある
【灰原関係】
灰原の正体を知ってるOR知らない問題で一番気になる人物は、降谷 零=(安室 透/バーボン)。
彼は公安のスパイなので本来黒の組織とは敵対関係であり、それ故に、赤井秀一と同じく「コナン側、つまり味方」であるはずですが、両名には決定的な違いがあります。
それが、「灰原の守りモチベ」です。
赤井は元恋人の宮野明美と、明美の生前に「何かしらの約束」を交わしています。
そのメールで交わされた約束の内容は隠されていた(P.S以降のメッセージが表示されなかった)ので、「読者(視聴者)」には見えないようになっていました(※1)。
しかし以後の流れから、それはおそらく「妹の志保を組織の脅威から守って欲しい」といった趣旨の内容ではないかと想像ができます。
→だから、コナンも赤井さんの「灰原守りモチベ」が高いことをわかっているのでその点でも信頼しています。
ですが一方の安室さんは、原作中で「灰原を守るスタンス」描写がまだありません。
それどころかむしろ、「灰原が組織に狙われても守ってくれないのかもしれない!」とヒヤヒヤする場面がありました(公安として、組織内で出世したいが故にか?)(※2)。
※1「アニメ492話~502話『赤と黒のクラッシュ』/単行本57巻FILE.9『鴉の唄』~単行本59巻FILE.1『鋼の楔』」をチェック!
※2「アニメ701話~『漆黒の特急(ミステリートレイン)』(全部で4話)/単行本78巻file.1~file.7」をチェック!
【赤井関係】
・赤井秀一は大学院生の沖矢 昴の姿になって「工藤邸」に住んでいます(コナンが、沖矢が赤井秀一だと認識したうえでそうするよう取計ったため)
→コナンと赤井さんはお互いの正体を把握しあっています。ですがコナンは赤井さんに自ら正体を明かしたわけではないので、「たぶん(自分の正体が新一だと)バレているんだろうな」という認識でいます(だから実質全員の正体を把握しているのは4人という認識でもOK)(※)。
※赤井さんがコナンの正体を確信したであろう話が見たい人は
「アニメ690話・691話「工藤優作の未解決事件(コールド・ケース)」/単行本77巻file.6『工藤優作の未解決事件』~file.8『コナン君だよね?』」をチェック!
・劇場版で登場したキャラクターについては今回は除いています。
・赤井秀一が生きていることを知っている人物は上に挙げた「沖矢昴=赤井秀一だと知っている人(確実に)」以外にもう一人いて、それが「キールこと水無怜奈=本堂瑛海」です。
彼女は「NOCの疑いをはらす」という目的のために赤井の死の偽装を実行した張本人だから当然です。
ただし、今までに「沖矢昴の姿の赤井秀一と」直接対面して会話をしているシーンがないので、沖矢昴として生活していることを知っているかどうかは不明です。
(とは言えそれを知っているかどうかは本筋と関係がないので読者は知っている体で物語を読み進めていってノープロブレム。)
・組織メンバーのなかで、赤井秀一が死んでおらず実は生きていることを知っているのは、「キール」と「バーボン」の2人だけです。(つまりNOCの2人。覚えやすい!)
→つまり、ベルモットも、赤井秀一は来葉峠で死んだと思っているということです。
赤井さんは、灰原には自分の正体を隠しています。
なぜなら「宮野明美は自分のせいで組織に抹殺された」と認識しており、「そんな自分がその妹の灰原 哀に軽々しく正体を明かすわけにはいかない」と思っているからです。
また、同じ理由(妹のことは必ず守りたいという)から灰原 哀を組織から守ろうとするモチベーションが高く、何かあったらすぐに動けるように、(灰原が住んでいる)阿笠博士の家の隣の工藤邸で暮らし続けながらいつも見守ってくれています。
・灰原は「赤井秀一=沖矢 昴」つまり、「元組織のメンバーである諸星大ことライ=沖矢 昴」であることをほとんど確信しています。(姉が消された原因となっている可能性があることも察しています。)
でも「恨めしい人物」とは思っていないようで、どちらかと言うと自分の「味方」であるという認識でいるようです。
・羽田秀吉は赤井ファミリーのなかで唯一、赤井の生存をはっきりと認識し、かつ赤井と直接連絡をとりあっている人物です。
組織サイドの情報も把握
【ベルモットについて】
ベルモットは物語の根幹に関わる超重要なキャラクターです。
ベルモットについて詳しく知らない方は以下の内容を頭に叩き込んでください!
急に「勉強感」が増していますが、本当に大事なところなのです(笑)!
ベルモットがなぜ重要人物なのか、それは
「コナン=工藤新一」、「灰原 哀=宮野志保/シェリー」だと完全に知っていながら組織にそのことを報告していないという、「謎多き人物」だからです。
名探偵コナンをある程度以上知っている方であればご存知だと思いますが、ベルモットは灰原のことを、「この世にいてはならない存在」と言って抹殺対象にしています。
実際にこれまでに何度も灰原の命を狙ってきました。
そんなベルモットが、なぜ組織にシェリーの用事が生存の事実を隠しているのか…。
その謎は未だ明らかにされてはいませんが、これまでにいくつかのこの謎についてのヒントと思われる要素がばらまかれているので、それをピックアップします。
①ジョディの発言より
ずっと前から「歳をとっていない」可能性が高いと判明した(※1)。
②安室さんの発言より
「組織のメンバーが知ったら驚くでしょうね。まさかあなたがボスの…(続きはベルモットが黙らせたので聞けずじまい)」(※2)
→どうやら組織のボスと何やら重大な関係がありそう
この2つから考察してみましょう。
「ずっと前から「歳をとっていない」」
→ つまりベルモットも薬を服用して若返っている可能性が浮上!?
「組織のメンバーが知ったら驚く」
→組織のメンバーはそのこと(ボスとベルモットの間の重大な関係性とやら)を知らない
→つまりつまり、ベルモットにとって、組織のメンバーに薬に幼児化(若返り?)の効力があることを知られたくない事情がある!?(ボスとの関係性の問題も幼児化(若返り?)隠ぺい問題と関連している!?)
ということがわかりますね。
また、謎の話からは少し逸れますが、ベルモットは新一と蘭のことを「この世でたった2つの宝物」と言って大切にしており、組織の手が及ばないように二人のことを時折守っています。
だからもしかしたら、宮野志保の幼児化が組織にバレてしまったら、宝物である工藤新一の身も危ないから組織に隠している、というのも、理由の1つとしてあるのかもしれませんね。
ベルモットが灰原を抹殺対象とする理由も、ベルモットに関する謎の1つです。
確かにジンを筆頭に組織は「裏切り者は抹殺せよ」の精神です。
実はベルモットは自分が「宝物」だと言っている工藤新一ことコナンと、過去に「灰原のことはもう狙わない」と約束しています。
ただしそれはあくまで「自分の手では(殺さない)」という意味であり、他のメンバーが灰原を抹殺することは止めないということがわかりました(ベルツリー急行がその例)。
さらに繰り返しになりますが、以前原のことを「 この世にいてはならない存在」と言っていたことを踏まえると、やはりベルモットが灰原を抹殺対象としているのは 「何か事情がある」と考えて間違いなさそうですね。
見方を変えれば、
このような状況でありながら組織に宮野志保の幼児化を報告していないのは、やはり灰原が開発した薬「APTX4869」が「組織の肝」であり、それを開発した灰原は抹殺対象
ということなのかもしれません。
以上より、ベルモットの謎をもう一度まとめます。
・ベルモット自身が歳をとっていないのはおそらく薬の服用 ?(APTX4869かそれ以外かの2択の可能性)
・ボスとは何かしらの重要な関係性がある
ボスとの関係性について組織のメンバーは知らない( 範囲不明。もしかしたらボスとベルモット当事者らと安室だけの可能性あり。)
・灰原をこの世にいてはならない存在 とまで言う理由が謎
本作でこれらについての新たな発見があるかもしれませんね!
※1「アニメ第345話『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の 二元ミステリー』/単行本42巻file.5〜file.10」をチェック!
※2「アニメ第783話『緋色の真相』/単行本85巻FILE.5『緋色のエピローグ』をチェック!
→ただしこの話は緋色シリーズのうちの最終話なのでこの話だけではなくシリーズ全部を見ることをおすすめします
【キールについて】
彼女は原作においても、本作においても、超重要なキャラクターです。
組織にスパイとして潜入し、コナン側(サイド)に逐一情報を提供してくれています。
組織との対決は「頭脳戦」、「推理戦」でありながら、「情報戦」でもある。
彼女は「情報戦」の鍵を握る重要人物であると言えます。
【ラムについて】
・結構見逃しがちなPOINTですが、「ラムの正体が寿司職人の脇田」だと知っているのは読者だけです!
(コナンや赤井さんも知らないことになっています。)
組織のメンバーも、誰も知りません。
ラムは無線でメンバーに命令をするときに、機械で声を変えています。
ただし、ジンだけは素顔のラム(脇田の姿ではなく)と会ったことがあり、どこで何をしているのかも知っているらしい。
また、そんなジンは原作中でラムのことを「あまり良く思っていない」ように見える描写がありました。
作者の青山剛昌先生も過去に読者からの質問に対して「そうかもね(ジンはラムを良く思ってないかもね)」と回答されていて、ジンが「アンチラム」であることを暗に認めていらっしゃるのです!
なんだか面白くなってきましたね!?
(本当はもしかしたら、安室や黒田あたりが、「脇田=ラム」であることに気がついている可能性があります。ただこの話をするとかなり長くなるので今回は触れません。本作とは関係がないので。)
パート3へ続きます!
それではまた次回、お会いしましょう!
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