劇場版名探偵コナンと言えば、原作者の青山剛昌先生が、毎年ある時期になると「虫食い型タイトルヒント」を出してくれます。
その後3ヶ月以内の、大体11月下旬~12月初旬頃、正式に来年公開する作品の「タイトル」が発表されます。
青山先生のタイトルヒントの出し方がこれまたすごく上手くて、毎年、「これ頑張って考えたら当てれそう!」って思わせてくれるんです(笑)
約2~3ヶ月の間をこんなに楽しませてくれるなんて、青山先生は天才です。
今回は、「過去のタイトル」について徹底的に分析してまとめてみました。
本気でタイトル考察するのであれば、過去の「傾向」を知ることはマストでしょう!
ぜひこの記事を毎年のタイトル考察に役立ててくださいね!
過去作品の「タイトル」発表日
劇場版名探偵コナンは毎年春に新作が公開されますが、その「タイトル」の発表日も大体時期が決まっています。
下記が過去6作品分のタイトル発表日です!
から紅の恋歌 | 2016年11月30日水曜日 |
ゼロの執行人 | 2017年11月29日水曜日 |
紺青の拳 | 2018年12月5日水曜日 |
緋色の弾丸 | 2019年12月4日水曜日 |
ハロウィンの花嫁 | 2021年12月1日水曜日 |
黒鉄のサブマリン | 2022年11月30日水曜日 |
こちらをよく見ていただけたら気がつくと思いますが、タイトル発表は毎年、11月下旬から12月初旬の毎週「水曜日」に行われています。
なぜ毎週水曜日なのかというと、毎年、週刊少年サンデーでタイトルが発表されているからです(週刊少年サンデーの発売日は毎週水曜日)。
過去のタイトル一覧と特徴
過去のタイトル一覧
次に、過去の「タイトル」一覧を全26作品分振り返りましょう。
1作目『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(まてんろう)』(1997)
2作目『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』(1998)
3作目『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(1999)
4作目『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』(2000)
5作目『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(2001)
6作目『名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊』(2002)
7作目『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』(2003)
8作目『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』(2004)
9作目『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』(2005)
10作目『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(2006)
11作目『名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(2007)
12作目『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』(2008)
13作目『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)
14作目『名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)』(2010)
15作目『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』(2011)
16作目『名探偵コナン 11人目のストライカー』(2012)
17作目『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013)
18作目『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)
19作目『名探偵コナン 業火の向日葵(ひまわり)』(2015)
20作目『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)
21作目『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』(2017)
22作目『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018)
23作目『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(2019)
24作目『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021)
25作目『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022)
26作目『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(2023)
タイトルの基本構成
上記をよく見てみたら、いくつかの規則、つまりパターンがあるようですね。
ではさっそく、パターンをピックアップしていきましょう。
ここをおさえると圧倒的にタイトルの考察がしやすくなります!
まずすぐわかる基本的なところですが、全て「AのB」といったように、必ず間に「の」がはさまるかたちになっています。
そしてこの「A」を前半、「B」を後半としたときに、「前半+後半」は大きく分けて以下の4タイプに分類することができます!
- ①漢字+漢字
- ②漢字+漢字(当て字)→このなかでさらに色漢字+漢字(当て字)、がある
- ③漢字+カタカナ
- ④カタカナ+漢字
過去26作品をこの4タイプに分類すると以下の通りです。
①漢字+漢字(全部で3作品)
『 時計じかけの摩天楼(まてんろう)』
『世紀末の魔術師』
『瞳の中の暗殺者』
②漢字+漢字(当て字)(全部で19作品)
『14番目の標的(ターゲット)』
『ベイカー街(ストリート)の亡霊』(2002)
『迷宮の十字路(クロスロード)』
『銀翼の奇術師(マジシャン)』
『水平線上の陰謀(ストラテジー)』
『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』
『 戦慄の楽譜(フルスコア)』
『漆黒の追跡者(チェイサー)』
『天空の難破船(ロスト・シップ)』
『沈黙の15分(クォーター)』
『絶海の探偵(プライベート・アイ)』
『異次元の狙撃手(スナイパー)』
『業火の向日葵(ひまわり)』
『純黒の悪夢(ナイトメア)』
『から紅の恋歌(ラブレター)』
『紺青の拳(フィスト)』
『緋色の弾丸』
『黒鉄の魚影(サブマリン)』
さらにこの中から「色漢字+漢字(当て字)※色漢字が前にきたら後半の漢字はほとんど当て字です」をピックアップすると、
- 『銀翼の奇術師(マジシャン)』
- 『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』
- 『漆黒の追跡者(チェイサー)』
- 『純黒の悪夢(ナイトメア)』
- 『から紅の恋歌(ラブレター)』
- 『紺青の拳(フィスト)』
- 『緋色の弾丸』
- 『黒鉄の魚影(サブマリン)』
となり、色漢字がくるタイトルが過去26作品中「8つ」もあることがわかりました!
③漢字+カタカナ(全部で2作品)
『天国へのカウントダウン』(2001)
『11人目のストライカー』(2012)
④カタカナ+漢字(全部で2作品)
『ゼロの執行人』(2018)
『ハロウィンの花嫁』(2022)
こうしてみると圧倒的に「漢字+漢字(当て字)」タイプが多いですね!!
・漢字のなかにひらがなが混じっていても「漢字」の区分に入れています
・『ベイカー街(ストリート)の亡霊』も、④カタカナ+漢字に入れるべきか迷いましたが、漢字が1文字でも入っている&『街』が当て字であることから「漢字+漢字(当て字)」に入れています
・『絶海の探偵』の「絶海」には「陸地から遠く離れた海」という意味が、『業火の向日葵』の「業火」には「激しい炎や大火のたとえ」という意味があるので、それぞれ色合いを想起させる言葉なので「色漢字」に入れるべきか迷いましたが、色を直接表す言葉ではないので入れませんでした(でも広い意味では色関係になるのかも)。
次に、この特徴を活かして「前半」と「後半」に分けて傾向をみていきましょう。
前半の特徴
特徴①熟語がくることが多い
数えてみたら全部で18作品も該当しました。
特徴②当て字がきたのは、唯一『ベイカー街(ストリート)の亡霊』のみで、前半にはこない(基本的に当て字のときは後半に当て字がくるので)。
後半の特徴
特徴①当て字がくることが多い。
先ほどは全体の構成で種類分けをしました。
今度は後半だけに注目した種類分けをしてみましょう。
タイプは全部で3つに分かれます。
1.漢字(全部で7作品)
『時計じかけの摩天楼(まてんろう)』(1997)
『世紀末の魔術師』(1999)
『瞳の中の暗殺者』(2000)
『ベイカー街(ストリート)の亡霊』(2002)
『ゼロの執行人』(2018)
『緋色の弾丸』(2021)
『ハロウィンの花嫁』(2022)
2.漢字(当て字)(全部で17作品)
『14番目の標的(ターゲット)』(1998)
『迷宮の十字路(クロスロード)』(2003)
『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』(2004)
『水平線上の陰謀(ストラテジー)』(2005)
『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(2006)
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(2007)
『戦慄の楽譜(フルスコア)』(2008)
『漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)
『天空の難破船(ロスト・シップ)』(2010)
『沈黙の15分(クォーター)』(2011)
『絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013)
『異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)
『業火の向日葵(ひまわり)』(2015)
『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)
『から紅の恋歌(ラブレター)』(2017)
『紺青の拳(フィスト)』(2019)
『黒鉄の魚影(サブマリン)』(2023)
3.カタカナ(全部で2作品)
『天国へのカウントダウン』(2001)
『11人目のストライカー』(2012)
(当て字は後半にくるので当たり前ですが)やっぱり「②漢字(当て字)」がダントツで多いですね。
この当て字を深掘りすると、この中から更に以下3タイプに分けられます!
その1.完全に当て字(全部で8作品)
以下の②にも③にもあてはまらない、ものがここになります。
『銀翼の奇術師(マジシャン)』(2004)
『水平線上の陰謀(ストラテジー)』(2005)
『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(2007)
『戦慄の楽譜(フルスコア)』(2008)
『沈黙の15分(クォーター)』(2011)
『業火の向日葵(ひまわり)』(2015)
『から紅の恋歌(ラブレター)』(2017)
『黒鉄の魚影(サブマリン)』(2023)
例えば、
・「棺」の英訳は通常、「coffin(コフィン)」や「casket(カスケット)」で、「ジョリー・ロジャー」とは言われていません。
・「楽譜」は通常「score(スコア)」や「music score(ミュージックスコア)」と英訳されます。
フルスコアとなると「総譜(つまりオーケストラとか吹奏楽、アンサンブル、合奏において全楽器の譜面が一つになっているもの)」の意味になるのです。
話の内容を知っていたら「フルスコアで良いじゃん」と思いますが、純粋に言葉だけで考えて「楽譜とかいてフルスコアと読む」というのが難しいということですね。
・「向日葵」の読み方が「ひまわり」であるということはある程度以上の年齢であれば分かっている人が多いと思います。
ですが実はこのような漢字は「熟字訓」と呼ばれ、「漢字の意味を優先して熟字単位で訓読みをあてた当て字である」とされるので、「当て字」の分類になるのです。
その2.実は英訳の当て字(全部で7作品)
『14番目の標的(ターゲット)』(1998)
『迷宮の十字路(クロスロード)』(2003)
『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(2006)
『天空の難破船(ロスト・シップ)』(2010)
『絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013)
『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)
『紺青の拳(フィスト)』(2019)
意外ですがこれらは全部英訳なんです。
特に「十字路」の英語がクロスロードであること、プライベート・アイが探偵であること、拳がフィストであることあたりが意外ですよね。
厳密には「プライベート・アイ」は探偵のなかでも「私立探偵」の意味で使われるようです。
その3.よく知られている英訳の当て字(全部で2作品)
わざわざ分けるか迷ったんですが、今回はせっかく細かく過去タイトルを研究しているので分けました(笑)
『漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)
『異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)
「追跡者を英語にするとチェイサーである」、「スナイパーを日本語で言えば狙撃手である」ということは結構多くの方が想像できると思います。
特徴②ポジション表現(職業/仕事)が多い
英語にすると「動詞+er(他にもor、istなど)」がつくやつです。
「pianist」「player」などですね。
数えてみたら全部で以下の9作品もありました!
魔術師/暗殺者/奇術師(マジシャン)/追跡者(チェイサー)/ストライカー/探偵(プライベート・アイ)/狙撃手(スナイパー)/執行人/花嫁
まとめ
今回は劇場版名探偵コナンの「タイトル」について徹底的に研究し、まとめてみました!
ぜひ毎年のタイトル考察などの参考にしてくださいね!
また、別記事では「タイトルヒントの基本」をまとめています。
こちらもタイトル考察の参考になると思うので合わせて見てみてください。
それではまた次回、お会いしましょう!
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